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黒部ルート見学会 [山・風景]

黒部ダム
今回は「黒部ルート見学会」に参加したレポート記事です。
出発点は黒部ダム。この水を使った地下水力発電所を見学したり、吉村昭のドキュメンタリー小説の舞台「高熱隧道」を通過したりします。分けようかと思いましたが一回にしました。長くてすみません(^^;

「黒部ルート」とは、関西電力が黒部奥山で電気事業の資機材を運搬するための輸送設備で、黒部ダムから、黒部川第四発電所を経由し、黒部峡谷鉄道の終点、欅平までの約18kmの区間を指します。
黒部川と平行しており、登山のコースで言うと、下の廊下(旧日電歩道や水平歩道)の部分となります。
通常は公開されておらず、公募で当選すると、関西電力主催、富山県協賛の見学会に参加出来ます。
今回は、倍率6.1倍の応募の中、見事当選できました \(^o^)/

通行はほとんどが地下となり、5種類の乗り物を乗り継ぎます。何カ所か外の景色を見られる場所もあります。このルートでしか見ることの出来ない山岳風景も、私にとっては楽しみの一つです(^^)

今回は黒部ダム出発のコースでしたが、欅平出発で、黒部ダムを目指すコースもあります。年代的に遡るには、欅平からの方が良いかも知れません。
小学生の頃の、社会科見学を思い出させてもらい、良い体験となりました^^
関西電力・黒部ルート見学会のご案内
富山県・黒部ルート見学会
黒部峡谷鉄道 オフィシャルサイト
黒部ダム オフィシャルサイト


黒部の太陽の舞台 まずはバス
左:「尊きみはしらに捧ぐ」黒部ダムにある慰霊碑に手を合わせて出発します。集合場所は黒部ダム駅の駅長室前。毎回30人の定員で、同日に欅平からも30人が、逆コースで黒部ダムに向かいます

右:秘密の通路?を抜け、黒部トンネル内に入ります。まずはバスで、黒部トンネルの終点、作廊谷を目指します。黒部ダムから作廊谷まで、距離約10.3km、標高差約145mの下りとなります



バス車内 タル沢横坑
左:バス車内で、ヘルメットが全員に渡されます。コース中は昼食時など、許可が出た場合を除いて被り続けます。見学参加者は白で、引率?の関電職員さんは黄色です

右:バスは途中で停車し、タル沢横坑を見学し外部に出ます。冬には、天井からの自然湧水の水滴が、トンネル内の地面に「氷筍(ひょうじゅん)」と呼ばれる長い氷の柱を作ります。気温が低過ぎると出来にくく、厳冬期の洞窟など特別な条件下でしか見られません。参加者には「黒部の氷筍水」の500mlペットボトルが、お土産として付きます^^



横坑出口 裏剱
左:横坑とはズリ(トンネル内の土砂)を運び出すためのもので、黒部トンネル内に数本あります。また換気専用の鳴沢横坑もあります。横坑から外に出ると・・・

右:裏剱がお出迎えです。天候が悪いとなかなか顔を出してくれないそうです。この日が今年度の最終回、天候も最高とあって、関電の職員さんも一眼を持参していました^^



作廊谷 インクライン
左:黒部トンネルの終点、作廊谷には、巨大な地下インクラインが待ち受けています。
インクラインとは、簡単に言えばケーブルカーのことです。なぜケーブルカーと言わないのか・・・

ケーブルカー・・・綱索鉄道・・・旅客のみを運搬・・・・・・国土交通省管轄
インクライン・・・軌道装置・・・貨物・労働者を運搬・・・厚生労働省管轄 なのだそうです

右:下降中、上を見上げました。インクラインの斜度は34度、距離815m、標高差456mを、約20分掛けて下ります。最大積載量は何と25t!
中央に交換所があり、上下の車両がすれ違います。欅平からの見学コースとは、この部分で一瞬顔を合わせます。すれ違いの写真は、全部ブレていました(^^;



下に到着 黒部第四発電所入り口
左:黒部川第四発電所のある標高869mまで下りてきました。結構急傾斜なのが分かるでしょうか。インクラインの中では、数年前の紅白歌合戦の、中島みゆきが歌詞を間違えながら熱唱している映像が流されました

右:黒部川第四発電所入り口。待ち構える列車は、次に乗り込むバッテリートロッコです。
このトンネルの少し奥に進んだ場所で、大晦日に中島みゆきが「地上の星」を歌ったのです。
「黒部の太陽」を読んでから、プロジェクトX「厳冬 黒四ダムに挑む」のDVDを買ってしまいました^^
バッテリートロッコに乗り込む前に、まず発電所を見学し、PR室で各自用意してきた昼食を取ります。逆コースは見学のみで、昼食タイムは設けられていません



発電所内部 この下で発電中
左:とても地下200mにある設備とは思えません。静かで清潔な、そして巨大な地下空間です。4機の発電機があり、当日は3機が稼働していました。

右:原子力発電所が台頭し、巨額を投じた水力発電所の影が薄くなりつつあります。しかし電気は溜めることが出来ない性質のものです。黒四発電所は、稼働を開始してわずか15分間で最大電力を供給出来ます。そのため消費電力が大きくなる昼間や夏場などに、即効的に供給を開始出来るというメリットがあります。原子力・火力など微調整が効かない発電方式と、水力などの状況に応じて、きめ細かな調整の効く発電方法を組み合わせて、発電量を調整しているそうです



水車 凄い轟音
左:黒部ダムから地下の導管を伝って発電所まで下りてきた水は、このタービン(水車)を回して電気に交換されます。このタービンの重量は12tあります。欅平側からのルートでは運び込めません。そのため扇沢からの関電トンネルと、これまで通ってきた黒部トンネルやインクラインが、どうしても必要だった訳です

右:実際に高速で回転しているシャフト(回転軸)は、もの凄い轟音を響かせていました



制御室 いよいよバッテリートロッコへ
左:発電所は平成5年より無人化され、宇奈月町の制御所から遠隔操作されています。
一方ダムの方は、ゲートの操作・放流のため、各ダムに厳寒期でも人が居ます

右:見学も終わったので、いよいよバッテリートロッコに乗り込みます。発電所駅には時刻表もあり、インクライン・バッテリートロッコとも定期便があるようです(画像をクリックすると拡大しますが、高感度&トリミングで読みにくくて済みません)



鉄橋上で停車 仙人谷ダム
左:黒部川第四発電所から欅平上部駅間は、バッテリートロッコで6.5kmの距離で、上部軌道と呼ばれています。途中、唯一地上に出る場所が、仙人谷ダムのすぐ下流側にある鉄橋部分です。上部軌道に対し、下部軌道と言われるのが、いわゆる黒部峡谷鉄道に当たります

右:鉄橋上からは仙人谷ダムと、その上に三段になった雲切りの滝を望めます。反対側は黒部の美しい谷と、人見平寮が見えます。しかし凄いゴーストが出ていますね(^^;

この仙人谷から上の区間と下の区間は、時代が別のものになります。今通ってきた、黒部トンネル・インクラインなどの上の区間は、黒四発電所建設のために、昭和30年代に作られたものです。一方ここから下の、欅平に掛けての区間は、昭和10年代に、仙人谷ダム・黒部第三発電所建設のために掘られたものです



高熱隧道 バッテリートロッコ
左:いよいよ高熱隧道(阿曽原~仙人谷)の部分、堀っぱなしの壁に硫黄が浮き出ています。作業員さんが数十年前に付けたノミの跡でしょうか・・・。バッテリートロッコ客室内には、手動のワイパーがありますが、動かし続けないとすぐに窓が曇ります。換気口からは高湿度の熱気と、硫黄の匂いが車内に漂います。この1枚を撮ったあとは、レンズが曇ってしまい撮影不可能になりました

右:客車を牽引してきたバッテリー(蓄電池)式の機関車。燃料式の機関車でないのは、高熱隧道で燃料に引火する危険性があるからです。このトンネルを人力で掘り進む時、ダイナマイトの自然発火爆発で、多くの人命が奪われました。

以下、仙人谷にあった看板から「高熱隧道」を引用します。
黒部川第三発電所建設工事は、昭和11年に始まった。 仙人谷ダム建設のための黒部専用鉄道隧道工事では、阿曽原谷から仙人谷までのうち約500mの区間は、岩盤が65度から166度の高温で難工事をきわめた。またホウ雪崩が工事用宿舎を襲うなど、困難と尊い犠牲の上、昭和15年仙人谷ダム・黒部第三発電所は完成した。吉村昭著「高熱隧道」は、その苦労のドキュメンタリー小説である。

この「高熱隧道」を読んだのが、このルートの応募のきっかけです。扇沢から入った場合、欅平に着いてからの交通の便で諦めていました。しかし立山から入ると、グルッと元に戻るのが容易です。 ならさん に気付かせてもらいました。ありがとう(^^)/



列車も積める竪坑エレベーター 何人乗っても大丈夫
左:竪坑エレベーターには、レールが敷かれていて、そのまま貨車が乗せられます。
上部軌道の欅平駅と下部軌道の欅平駅は、標高差が200mあります。本当は一本の線路で繋がっていれば問題はないのですが、欅平から先の谷の傾斜が急すぎ、渓谷も切り立っているため、軌道を掛けることが出来ませんでした。そのため、貨車ごとエレベーターで移動するという方法を取りました

右:もちろん人も乗り込めます。人なら何人乗っても大丈夫そうです^^



竪坑展望台 欅平に到着
左:竪坑エレベーターで下に下りる前に、展望台に出て、アルプスの景観を楽しみました。
正面には奥鐘山、左に白馬岳、右に鹿島槍ヶ岳と、欅平上部ならではの山岳風景が広がっていました

右:エレベーターを下りると、下部軌道の工事用トロッコ列車に乗り込み、欅平駅にはあっという間に到着です。乗ってきた車両を写し、散会の挨拶で見学会の行程も終了です



欅平駅屋上展望台
欅平周辺は、紅葉真っ盛りでした。欅平駅の屋上展望台から、奥鐘橋と祖母(ばば)谷を望みます


長い記事に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
「きまぐれGallery」の方でも、立山初冬の記事を一旦お休みし、1黒部ダム周辺、2タル沢からの裏剱、3仙人ダム周辺、4欅平竪坑上部展望台、5欅平周辺、6欅平周辺その2、7黒部峡谷鉄道、の7回分を連続で掲載します。よろしかったらご覧下さい^^


黒部川第四発電所 map



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